【世界市場で独り勝ち】決算資料から読み解くレーザーテック株(証券コード:6920)

超グロース株として名高いレーザーテックについて、
直近で発表された決算資料から、今後の株価の見通しや
半導体市場の需要について分析しました。

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目次

レーザーテックはどんな会社?

銘柄コード業種時価総額発行済み株式数
6920電気機器2兆432億円94,286,400 株

レーザーテック株式会社は、PCやスマホなどに使われる、「半導体の検査装置」を主体に開発している検査機器メーカーです。

半導体検査装置において、レーザーテックは世界市場100%シェアと独り勝ち状態の会社であることから、高い成長性が見込める会社であり、株式市場においても1日の取引量が安定してトップ5に入るほどの人気銘柄です。

株価について、上場後、2012年7月の約130円付近が底値の会社でしたが、2022年1月の上場来最高値で約36,000円まで上昇という驚異の株価、約276倍になった会社です。(2023/8/15時点、株価22,000円台付近)

出典元:kabutan
レーザーテックの直近10年の株価チャート

レーザーテックの製品

レーザーテックの製品が取り扱っている製品は主に以下3分野です。

レーザーテックの製品
  • 半導体のマスクやウエハ関連の欠陥検査装置
  • FPDフォトマスク欠陥検査装置
  • レーザー顕微鏡

中でも、半導体のマスクやウエハ関連の欠陥検査装置が主力製品です。

半導体製品について、ちょこっと解説

半導体のマスクとは、電子ビーム設備を用いて設計された回路パターンをガラス板の上に描き込んで作られたもので、 半導体を正しく動作させるために重要な回路のことです。
この回路を描く基盤がウエハとなります。
半導体関連のパーツはとても微細なもので、表面上の少しの傷や回路の欠け、
重なり等で正しく動作しなくなります。

レーザーテックはこの半導体関連パーツの微細な欠陥を見つけるための
検査装置を製造している会社
というわけです。

FDP(フラットパネルディスプレイ)は、液晶モニターやスマホのモニターで使用される薄型モニターで、このFPDに関する 欠陥検査装置も製造しています。

要するに、レーザーテックは半導体関連パーツが正しく動作するために欠陥がないか、
繊細な検査をするための検査装置を開発している会社です。

近年では、PCやスマホのがなくてはならない時代のため、今後も需要は保たれる製品を開発しているため、世間からも必要とされている会社と言えるでしょう。

レーザーテックの会社の特徴や強みについて

レーザーテックの強み
  • 世界市場100%シェア製品をもっている
  • レーザーテック唯一の製品を開発しているため、競争力がある
    (毎年新製品を1つは開発する方針)
レーザーテックの経営戦略

グローバルニッチトップ企業になることを掲げています。

世界でも競合他社が入り込めない需要のある分野で勝負するということであり、
レーザーテックならではの技術力で製品を開発することで、
他にはない製品、会社になることを 経営戦略としています。

けんたうろす

世界中で取り扱いのある会社は、
1社だけということで、
まさに独り勝ちというわけですね。

けんたうろす

レーザーテックからしか買えないわけなので、原材料費や
人件費が上がる情勢であっても、価格転嫁し、
利益率を保てるという強みがあり、
安定成長できる会社というわけですね。

2023年6月の決算結果について

ここでは、レーザーテックが2023年8月に開示した決算資料を
分析していきます。

まず、売上高や本業の儲けを表す営業利益について、
2022年度と比べて売上高:69.1%、営業利益:91.7%
とかなり伸びていることが分かります。

今回、これらが伸びた主な要因としては、
円安による為替差益が大きかったこと

製造製品の製造負荷をリバランスしたことによって、
採算の取れる製品を販売できた
点が挙げられます。

出典元:最新IR資料 | レーザーテック株式会社 (lasertec.co.jp)

次に、製品毎の通気見通しですが、主力製品である半導体関連装置が
しっかり伸びることを見通しています。

半導体需要が減速と言われている中でも、売り上げが伸びる見通しは
頼もしいですね。

利益率については、製造製品の製造バランスを変えていくため、
変えていく過程の中で費用が発生することから、利益率は
低下する見通しです。

レーザーテックでは、この過程を製品ミックスと表現していますが、
製品ミックスが完了すれば、再びしっかり利益もとれる
ようになることが予想されますので、ここは、特に心配無いでしょう。

出典元:最新IR資料 | レーザーテック株式会社 (lasertec.co.jp)

上の表の売上の伸びを裏付ける資料として、現時点での受注済みの
製品からとれる売り上げや受注残高も開示しています。

受注高は、過去最高であった2022年度より落ちますが、高い水準です。
受注残高については、4,000億円以上もあり、
好調な様子です。

受注残高については、2024年度以降、非開示とするようです。

  • 受注残高は短期間で激しく変動する性質上、指標としての信頼性が低くなっているため。
  • 受注残高はかなり先の納期のものが多く、決算発表で業績を確認する指標の
    参考にあまりならないため。
出典元:最新IR資料 | レーザーテック株式会社 (lasertec.co.jp)

以下の表から、売上が伸びている中で営業利益も40%前後と非常に高い水準で
とれていることが分かります。

出典元:最新IR資料 | レーザーテック株式会社 (lasertec.co.jp)

業績が良いため、それに連動して、配当金も連続増配しています。

各6月発表時2019年2020年2021年2022年2023年
1株当たり配当金23.5円42.5円75円97円180円

株価はどうなる?レーザーテックの今後について

半導体市場は、過熱感が高く、過剰在庫や、PC、スマホの一時的な需要減速に伴い、 今期は少し落ち着いてくるかと思われますので、株価も一旦調整局面となる可能性があります。 しかし、長期的にみれば、再び需要が旺盛になる市場でもあるため、数年間、保有するのであれば、 株価の更なる上昇も期待できるでしょう。

具体的には、2023年末~2024年上期以降から、レーザーテックの顧客の在庫調整が終わり、
稼働率があがることを予想しておりますので、2024年下期くらいを目途に業績予想の
上方修正が発表されるなどすれば、株価は大きく上昇する可能性
があるでしょう。

半導体市場の今後の注目ポイント

半導体市場の今後の注目ポイント
  • 過剰在庫の調整完了後の需要の回復がいつになるか
  • 直近で経済及び、国家安全保障を要因として、トレンドになっている半導体、
    デバイスメーカーを自国に誘致する流れで 半導体市場の需要が喚起されるかどうか。

まとめ

半導体関連の欠陥検査装置メーカーとして、世界シェア100%シェアの
グロース銘柄であるレーザーテックについて、分析しました。

2023年8月7日開示の決算資料から、当面の間はまだ半導体市場の調整局面が
継続されることが分かりますが、2024年下期くらいから、需要に回復の
兆しが見える見込み
となっています。

個人的には、長期保有であれば、もう少し株価が下がったところで
買い、株価上昇による売買益を狙ってみても面白い銘柄
かと思います。

※当サイトでは、紹介した会社の株式売買を読者様が行った場合の損失発生の責任は一切負いません。 記載内容はあくまで参考とし、投資判断は読者様個人のご判断でお願い致します。

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