超グロース株として名高いレーザーテックについて、
直近で発表された決算資料から、今後の株価の見通しや
半導体市場の需要について分析しました。
レーザーテックはどんな会社?
銘柄コード | 業種 | 時価総額 | 発行済み株式数 |
6920 | 電気機器 | 2兆432億円 | 94,286,400 株 |
レーザーテック株式会社は、PCやスマホなどに使われる、「半導体の検査装置」を主体に開発している検査機器メーカーです。
半導体検査装置において、レーザーテックは世界市場100%シェアと独り勝ち状態の会社であることから、高い成長性が見込める会社であり、株式市場においても1日の取引量が安定してトップ5に入るほどの人気銘柄です。
株価について、上場後、2012年7月の約130円付近が底値の会社でしたが、2022年1月の上場来最高値で約36,000円まで上昇という驚異の株価、約276倍になった会社です。(2023/8/15時点、株価22,000円台付近)
レーザーテックの製品
レーザーテックの製品が取り扱っている製品は主に以下3分野です。
中でも、半導体のマスクやウエハ関連の欠陥検査装置が主力製品です。
要するに、レーザーテックは半導体関連パーツが正しく動作するために欠陥がないか、
繊細な検査をするための検査装置を開発している会社です。
近年では、PCやスマホのがなくてはならない時代のため、今後も需要は保たれる製品を開発しているため、世間からも必要とされている会社と言えるでしょう。
レーザーテックの会社の特徴や強みについて
世界中で取り扱いのある会社は、
1社だけということで、
まさに独り勝ちというわけですね。
レーザーテックからしか買えないわけなので、原材料費や
人件費が上がる情勢であっても、価格転嫁し、
利益率を保てるという強みがあり、
安定成長できる会社というわけですね。
2023年6月の決算結果について
ここでは、レーザーテックが2023年8月に開示した決算資料を
分析していきます。
まず、売上高や本業の儲けを表す営業利益について、
2022年度と比べて売上高:69.1%、営業利益:91.7%
とかなり伸びていることが分かります。
今回、これらが伸びた主な要因としては、
円安による為替差益が大きかったこと
製造製品の製造負荷をリバランスしたことによって、
採算の取れる製品を販売できた点が挙げられます。
次に、製品毎の通気見通しですが、主力製品である半導体関連装置が
しっかり伸びることを見通しています。
半導体需要が減速と言われている中でも、売り上げが伸びる見通しは
頼もしいですね。
利益率については、製造製品の製造バランスを変えていくため、
変えていく過程の中で費用が発生することから、利益率は
低下する見通しです。
レーザーテックでは、この過程を製品ミックスと表現していますが、
製品ミックスが完了すれば、再びしっかり利益もとれる
ようになることが予想されますので、ここは、特に心配無いでしょう。
上の表の売上の伸びを裏付ける資料として、現時点での受注済みの
製品からとれる売り上げや受注残高も開示しています。
受注高は、過去最高であった2022年度より落ちますが、高い水準です。
受注残高については、4,000億円以上もあり、
好調な様子です。
受注残高については、2024年度以降、非開示とするようです。
- 受注残高は短期間で激しく変動する性質上、指標としての信頼性が低くなっているため。
- 受注残高はかなり先の納期のものが多く、決算発表で業績を確認する指標の
参考にあまりならないため。
以下の表から、売上が伸びている中で営業利益も40%前後と非常に高い水準で
とれていることが分かります。
業績が良いため、それに連動して、配当金も連続増配しています。
各6月発表時 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
1株当たり配当金 | 23.5円 | 42.5円 | 75円 | 97円 | 180円 |
株価はどうなる?レーザーテックの今後について
半導体市場は、過熱感が高く、過剰在庫や、PC、スマホの一時的な需要減速に伴い、 今期は少し落ち着いてくるかと思われますので、株価も一旦調整局面となる可能性があります。 しかし、長期的にみれば、再び需要が旺盛になる市場でもあるため、数年間、保有するのであれば、 株価の更なる上昇も期待できるでしょう。
具体的には、2023年末~2024年上期以降から、レーザーテックの顧客の在庫調整が終わり、
稼働率があがることを予想しておりますので、2024年下期くらいを目途に業績予想の
上方修正が発表されるなどすれば、株価は大きく上昇する可能性があるでしょう。
半導体市場の今後の注目ポイント
まとめ
半導体関連の欠陥検査装置メーカーとして、世界シェア100%シェアの
グロース銘柄であるレーザーテックについて、分析しました。
2023年8月7日開示の決算資料から、当面の間はまだ半導体市場の調整局面が
継続されることが分かりますが、2024年下期くらいから、需要に回復の
兆しが見える見込みとなっています。
個人的には、長期保有であれば、もう少し株価が下がったところで
買い、株価上昇による売買益を狙ってみても面白い銘柄かと思います。
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